慄然ぶるぶる)” の例文
ト聞くと文三は慄然ぶるぶると震えた、真蒼まッさおに成ッた……暫らくの間は言葉はなくて、唯恨めしそうにジッとお勢の澄ました顔を凝視みつめていた
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
トいいさして文三は顔に手をてて黙ッてしまう。こころとどめてく見れば、壁に写ッた影法師が、慄然ぶるぶるとばかり震えている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
文三また慄然ぶるぶると震えてまた蒼ざめて、口惜くちおしそうに奥の間の方を睨詰にらみつめたまま、暫らくの間釘付くぎづけにッたように立在たたずんでいたが、やがてまた気を取直おして悄々すごすごと出て参ッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)