惚氣のろけ)” の例文
新字:惚気
「お前を誘つて、これから出かけようと言ふところへ、當人のお前が飛び込んで來て、長々と惚氣のろけまじりの物語りぢやないか」
惚氣のろけを聽き度いわけぢやない。その夜鷹をみんな狩り出して、水もらさぬ陣立てをし度いが、お前の馴染が居ないやうぢや、さうもなるめえ。
親方が殺された晩、江戸で一番下等な賣女を相手にした惚氣のろけを、死骸の隣りでヌケヌケ言ひ出しさうにするのです。
「あわてちやいけねえ、此家と掛り合ひの人間で、最初に逢つた男だ。訊いたら何とか言ふだらう、ふところの十手を引つ込めて、惚氣のろけでもいはせて見るがいゝ」
「金儲けの話はいけないが、その外の事なら、大概たいがい我慢をして聽いてやるよ、惚氣のろけなんざ一番宜いね——誰が一體お前の女房になりたいつて言ひ出したんだ」
鬼の留守で、へツ/\、こんなことを言つちや惡うございますが、お銀さんが腕によりをかけて御馳走をこさへ——私はまた、昔の惚氣のろけをうんと聽かせてやりました。
「朝つぱらから惚氣のろけの賣り込みかい、道理で近頃は姿を見せないと思つたよ。ところで相手は誰だ、横町の師匠ししやうか、羅生門河岸らしやうもんがし怪物くわいぶつか、それとも煮賣屋のお勘子か——」
私が三年越し岡惚をかぼれしてゐることを今晩こそはかせてやるから、何が何でも入つてゆつくりしろ——と、親爺の前で惚氣のろけを聞かせながら、また酒が始まつたでせう、いや、もう
「ば、馬鹿なツ。親父をつかまへて、惚氣のろけを聞かせる奴もねえものだ、へツ、へツ」
「お前の惚氣のろけは、いづれ永日として、丹波屋の清次郎の方はどうなんだ」
惚氣のろけなんか聽いてるんぢやない。サア、案内しな」
「馬鹿野郎ツ、惚氣のろけどころぢやねえぞ」