情緒おもい)” の例文
なんぞその心根の哀しさや。会いくば幾度いくたびにてもあえる、又た逢える筈の情縁あらば如斯こんな哀しい情緒おもいは起らぬものである。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
浪路の情緒おもいは、唆り立てられ、煽り立てられ、沸き立たせられる——彼女の全身は、いかなる炎よりも熱く燃えて、殆んど焼け死ぬかと思われるばかりだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)