悪臭あくしゅう)” の例文
しかし一代は衰弱する一方で、水の引くようにみるみるせて行き、癌特有の堪え切れぬ悪臭あくしゅうはふと死のにおいであった。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
……二三度、四五度、繰返すうちに、指にも、手にも、はては指環の緑碧紅黄りょくへきこうこう珠玉しゅぎょくの数にも、言ひやうのない悪臭あくしゅういきかかるやうに思はれたので。……
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とたんに、どこからともなく、れいのなまぐさい悪臭あくしゅうがプーンとおそってきた。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
悪臭あくしゅうはなっている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
とたんに、一種異様の悪臭あくしゅうが、鼻をつきました。あ、毒ガスです!
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)