てい)” の例文
「雅号は好いよ。世の中にはいろいろな雅号があるからな。立憲政体だの、万有神教だの、忠、信、孝、てい、だのってさまざまな奴があるから」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
慈といい、孝といい、ていといい、ゆうというが如き、即ちこれにして、これを総称して人生居家きょかの徳義と名づくといえども、その根本は夫婦の徳にらざるはなし。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
何の道かの道ということは異国の沙汰さたで、いわゆる仁義礼譲孝てい忠信などというやかましい名をくさぐさ作り設けて、きびしく人間を縛りつけてしまった人たちのことを
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どの道かの道という異国の沙汰さたにほだされ、仁義礼譲孝てい忠信などとやかましい名をくさぐさ作り設けてきびしく人間を縛りつけてしまった封建社会の空気の中に立ちながらも
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)