悃願こんがん)” の例文
そこへ若夫婦が手を合せないばかりに悃願こんがんしますから、もと/\御主人の考えに委せると言い切った手前、奥さんも今更仕方がありません。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
はたまた風馬牛に遇せらるるか、いわゆる知らぬは亭主ばかりでそれは私のとり得ん所だが、私は今この書を世に公にするからには成るべく一般に読んで頂きたいと悃願こんがんする。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と春子さんが穏便おんびんの処置を悃願こんがんしているところへ、問題の俊一君が洋服姿で縁側から現れた。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
殊に発行者北隆館は赤字の出ずるのを強いて我慢し、学問のためまた著者のために義侠的にその出版を快諾し敢行する勇気を示してくれていれば、切に御同情下されん事を悃願こんがん致します次第です。
と僕は呆れたが、だましすかして、兎に角機会を見て話を持ち出すように悃願こんがんした。
ロマンスと縁談 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
とお母さんは言葉を改めて悃願こんがんした。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と友三郎さんは悃願こんがんした。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と絹子さんが悃願こんがんした。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)