御難ごなん)” の例文
『らんぷや御難ごなん』は「ひらけゆく電気」に書いたもの。これは卑近ひきんな生活の中に、科学を織りこんだもので、これまた一つの型だと思っている。
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしたらその奥さんから「中谷さんの南画というのは、配置と文句で胡魔化しているのね」と言われた。しかしこういう御難ごなんうことはれで、一般には賛を入れておいた方が通りがよい。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
よくよく御難ごなんな年だ、十津川騒動さえ始まらなければ、こんなことはないのだが、湯の客は少ないし、薬種やくしゅを買いに来る商人も見えず、その上に、今日も明日もきびしい落人詮議おちうどせんぎで追い廻される
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)