“御濠”の読み方と例文
読み方割合
おほり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もしそれ明月皎々こうこうたる夜、牛込神楽坂うしごめかぐらざか浄瑠璃坂じょうるりざか左内坂さないざかまた逢坂おうさかなぞのほとりにたたずんで御濠おほりの土手のつづく限り老松の婆娑ばさたる影静なる水に映ずるさまを眺めなば
御濠おほりの石垣が少しくずれ、その対岸の道路の崖もくずれている。人工物の弱い例である。しかし崖にった電柱の処で崩壊の伝播でんぱが喰い止められているように見える。
静岡地震被害見学記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ちょうどその晩は少し曇って、から風が御濠おほりむこうから吹き付ける、非常に寒い。神楽坂かぐらざかの方から汽車がヒューと鳴って土手下を通り過ぎる。大変さみしい感じがする。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)