“おほり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御濠57.1%
御堀28.6%
御溝14.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御濠おほりの石垣が少しくずれ、その対岸の道路の崖もくずれている。
静岡地震被害見学記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
城の御濠おほりの深みどり、
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつになく富士見町の方へは足が向かないで土手どて三番町さんばんちょうの方へ我れ知らず出てしまった。ちょうどその晩は少し曇って、から風が御濠おほりむこうから吹き付ける、非常に寒い。神楽坂かぐらざかの方から汽車がヒューと鳴って土手下を通り過ぎる。大変さみしい感じがする。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もしそれ明月皎々こうこうたる夜、牛込神楽坂うしごめかぐらざか浄瑠璃坂じょうるりざか左内坂さないざかまた逢坂おうさかなぞのほとりにたたずんで御濠おほりの土手のつづく限り老松の婆娑ばさたる影静なる水に映ずるさまを眺めなば、誰しも東京中にかくの如き絶景あるかと驚かざるを得まい。
しかし風のない晴れた日には、御堀おほりどての松の梢が自ずと霞んで、英国大使館の旗竿の上にとびが悠然と止まっているのも此頃です。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「もうすっかり夏だわねえ。御堀おほりの方を見ると、まるで芝居の背景見たようねえ。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
市民おのおのその欲する所をほしいままにする事を得たりしかば、南岳白日衣をまとはず釣竿を肩にして桜田門外に至りいと御溝おほりに垂れて連日鯉魚十数尾をて帰りしといふ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)