御朱印船ごしゅいんせん)” の例文
この時において御朱印船ごしゅいんせんなる貿易特許を得たるもの、西南洋に輻輳ふくそうするのみならず、到る所日本の植民なきはあらざりしは、今日においても、なお髣髴ほうふつとして
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
天竜寺船てんりゅうじせん御朱印船ごしゅいんせんのような貿易船も南の海を渡って、呂宋ルソン(フィリッピン)、渤泥ブルニー(ボルネオ)、安南アンナン(仏印)、暹羅シャム(泰)の国々や島々と、日本との間をした。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
船の長さ十二間、幅四間、荷頭にがしら、ルイス新九郎、船頭ゼリコ庄兵衛のほか、乗組は福建ふくけん人、スマトラ人、マラッカ人で総数は百人ほど。船の大きさも乗組の数も御朱印船ごしゅいんせんの三分の一にも及ばない。
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)