御所おところ)” の例文
御所おところ名前をおっしゃっらない方には、お目に掛らない——と申すほどの見識のあるあっしじゃございませんが——」
、こちらで存じておりますような訳には参りますまいけれども、あのう、私は篠田さんと云う、貴方の御所おところの方に、少し知己しりあいがあるのでございまして。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お気の毒ですから、泊めておあげなさい。誠にすみませんが、其処で御所おところと御名前を言って下さいませんか」
I駅の一夜 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
 車掌が「会社の方へ申告して、御礼をする手続きをしますから、御名前と御所おところを——」と言つて来る。
おスミの持参金 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
御所おところ名前を仰しやらない方には、お目に掛らない——と申すほどの見識のあるあつしぢや御座いませんが——」