御布施おふせ)” の例文
御布施おふせが段々少くなるのに氣を腐らせ、少し人間の甘い癖に、文字花に夢中になつて居る猪之助を煽動おだてゝ、筋書まで拵へて、二人の男を殺さしたのさ。
疲弊ひへいした村のことで御布施おふせの集りがよかろうはずはない。金包みの代りに米とか野菜ですますような習慣が次第に一般にひろがって、禅僧は食うだけが漸くだった。
禅僧 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
その会話の中には親鸞上人しんらんしょうにん蓮如上人れんにょしょうにんという名がたびたび出て来た。十時少し廻った頃、松本は菓子と御布施おふせを僧の前に並べて、もうよろしいから御引取下さいとことわった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
近所の法類からしかるべき導師どうしを頼むほどの御布施おふせが出せなかったのである。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)