御容姿ごきりやう)” の例文
其様そんなことおつしやつても、此婆は聴きませぬ、御容姿ごきりやうなら御才覚なら何に一つ不足なき貴嬢様あなたさまが、何の御不満で左様さやうなこと仰つしやいます、では一生、剛一様の御厄介におなり遊ばして
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ほんたうに前の奥様はナカ/\えらい、好い方で御座いました、御容姿ごきりやうもスツキリとした美くしいお方で——梅子さんが御容姿と云ひ、御気質と云ひ、阿母さんソツクリでいらつしやいますの
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「アヽ、思へば、先生」と老女は涙押しぬぐひつ「だ昨日の様で御座いますが、モウ二たむかし、其の時此の婆のお抱き申した赤児様あかさまが、今の立派な梅子さんです、御容姿ごきりやうなら御学問なら、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)