御叱おしかり)” の例文
それに就いて罷出まかりでました……無面目に、お家をうかがい、御叱おしかりを蒙ったで、恐縮いたすにつけても、前後申後もうしおくれましてござるが、老人は下谷御徒士町おかちまちに借宅します
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主君を此處へおさそひしたのは、拙者一代のあやまち、——これは吉住氏の落度ではない。それにもかゝはらず、吉住氏が奧方の御叱おしかりかうむつたと聞いた時から、拙者は自分の罪のつぐなひを覺悟して居たのだ
「さようで御ざりましたか。それでは別に差当って御叱おしかりこうむるような事はなかろうと仰有おっしゃるんで御座いますな。いや、先生、その御言葉を聞きまして手前はもう生き返ったような心持になりました。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)