御会式おえしき)” の例文
夏の盆提燈や廻り燈籠がすむと、すぐ御会式おえしきの造花にかかります。と、また、霜月になって、凧と羽子板の仕度にかかります。そつのない商売です。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
毎年十月十三日は、弘安五年(1282)に、武州池上の本門寺で入寂した日蓮上人忌日の御会式おえしきで、またこれを法花会式ほっけえしきとも御命講おめいこうとも日蓮忌ともいわれる。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
毎年十月十八日の彼の命日には、私の住居にほど近き池上本門寺の御会式おえしきに、数十万の日蓮の信徒たちが万燈をかかげ、太鼓を打って方々から集まってくるのである。
回向院えこういん相撲すもう本門寺ほんもんじ御会式おえしきのように幾旒いくながれとなく長い旗を所々に植え付けた上に、世界万国の国旗をことごとく借りて来たくらい、なわから縄、つなから綱へわたしかけて、大きな空が
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十月の御会式おえしきボラの始まるころ、大潮の夜、葛西一帯のほそでぬけるものだが、コブシ大ぐらいにかたまって水面へ出て、まるで花火のようにパーッと開いて流れ出すが、実にみごとなもので
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)