後継あとつぎ)” の例文
それで、お姫さまの命をすくってくれるものがあったら、おひめさまのおむこさんにして、王さまの後継あとつぎにする、というお布告ふれをだしたものです。
随って椿岳の後継あとつぎは二軒にわかれ、正腹は淡島姓を継ぎ、庶出は小林姓を名乗ったが、二軒は今では関係が絶えて小林の跡は盛岡に住んでるそうだ。
家の後継あとつぎのおれはいないし、おまえ達は、幼かったから、叔父共三家で、おれの帰るまで、預かっていてくれるのだよ。そういう約束になっているのだ。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その媼もいつのまにか見えなくなった、何時いつごろどういう病気で亡くなったか知る由もなく、また媼の芸当の後継あとつぎもいず、類似のわざをする者も出ずにしまったから、あれはあれで絶えたことになる。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あれがウェヌスの後継あとつぎになって、祠のある土地や
「生れながら、武門の後継あとつぎとはなりかねる病弱な子だ。いつかは、僧門へ入れようとすら思い断っていた新介……。祖父以来の城池と名誉にはかえられぬ」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)