彼杵そのき)” の例文
入日が彼杵そのき半島の山のに近よるにつれ、半天は徐々じょじょべに色に彩どられる。そのくれないが反対の側の天草灘に棚引く横雲に反射する。千々岩灘に散らばる漁船の白帆がその瞬間金色こんじきに輝き渡る。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
三の瀬村のこうに十囲許ゐきよの樟木あり。中空朽くうきうの処六七畳席をくべし。九州地方大樟たいしやう尤多しといへどもかくのごときは未見いまだみず。江戸を発して已来道中第一の大木なり。三里薗木そのき駅(一に彼杵そのきと書)なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)