弦光げんこう)” の例文
藍染川と、忍川の、晴れて逢っても浮名の流れる、茅町かやちょうあたりの借屋に帰って、吉原がえりの外套を、今しがた脱いだところ。姓氏は矢野弦光げんこうで、対手あいてとは四つ五つ長者である。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)