引取ひっと)” の例文
たしなめるように云って、お妙は上衣を引取ひっとって、あらわに白い小腕こがいなで、羽二重でゆわえたように、胸へ、薄色を抱いたのである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云いながら小三郎の冠った編笠へ手を掛け、無理に引取ひっとりましたから、小三郎は輪ばかり冠ったなりで
引取ひっとって、ぐいと開けた、気が入って膝を立てた、顔の色が厳しくなった。と見てきもを冷したのは主税で、小芳は何の気も着かないから、晴々しい面色おももちで、覗込のぞきこんで
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜伽よとぎじゃないか。」と民弥が引取ひっとる。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)