度外どがい)” の例文
右等みぎらの事件に至りては、他国の内政に与聞せざる善政の度外どがいおくべきものなり。ゆえにこの種の事をはかるはその実はなはあやうしとす。〈同五百廿葉〉
君も武士、我も武士、もののふのならいにこそ——と、勝敗の立場は度外どがいして、心をもって心に接して行ったからであろう。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり人格から出た品位を保っている本統ほんとうの紳士もありましょうが、人格というものを度外どがいに置いて、ただマナーだけを以て紳士だとして立派に通用している人の方が多いでしょう。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)