平松ひらまつ)” の例文
むかしは土手の平松ひらまつとか云つた料理屋の跡を、そのまゝの牛肉屋常磐ときはの門前から斜に堤を下り、やがて真直に浅草公園の十二階下に出る千束町二三丁目の通りである。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ここにその任命を公表すれば、桶屋おけやの子の平松ひらまつは陸軍少将、巡査の子の田宮たみやは陸軍大尉、小間物こまもの屋の子の小栗おぐりはただの工兵こうへい堀川保吉ほりかわやすきち地雷火じらいかである。地雷火は悪い役ではない。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
むかしは土手の平松ひらまつとかいった料理屋の跡を、そのままの牛肉屋常磐ときわの門前から斜に堤を下り、やがて真直まっすぐに浅草公園の十二階下に出る千束町せんぞくまち二、三丁目の通りである。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
南園上人、姓は平松ひらまつ、名は理準りじゅん、字は密乗また麗天、その号は南園また小自在庵しょうじざいあんという。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)