帳附ちょうつけ)” の例文
とうとううまい口を見附めっけた。飯場の帳附ちょうつけだがね。こりゃ無ければ、なくっても済む。現に今までは婆さんがやってたくらいだが、せっかくの御頼みだから。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
翌日あくるひから自分は台所の片隅に陣取って、かたのごとく帳附ちょうつけを始めた。すると今まであのくらい人を軽蔑けいべつしていた坑夫の態度ががらりと変って、かえって向うから御世辞を取るようになった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)