師業もろなり)” の例文
「ただいま、正成の首級をおたずさえあって、下御所しもごしょ(直義)さまと、高ノ師業もろなり師久もろひさの両名が、御営門までおみえにござりますが」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり師業もろなりは忠実にそれを奉じたものだろう。師久もろひさは、従兄弟いとこにしてやられたとは思ったが、相手が赤松や細川ではなし、一族なので、くやしくはなかった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
堂外の坪にとばりをめぐらした営中というだけのもの。すでに直義ただよしはそこへ来ていた。こう師業もろなり、師久をうしろにおき、尊氏の姿をみると、片手づかえに、こころもち頭をさげた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)