帛紗包ふくさづつ)” の例文
今まで手にも触れなかった袋入りの物と、帛紗包ふくさづつみの二品を手に取って、お君はねんごろに推しいただきました。
そこを帛紗包ふくさづつみを抱えて歩きながら、伸子は背後が気になり、我知らず急ぎ足になる厭な気持を経験した。通りはずっとまっすぐ、彼方の大通りまで直角に続いていた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
帛紗包ふくさづつみのなかに入つてゐるのは他でもない、小本こほんの『膝栗毛』の一冊で、この剽軽へうきんな喜劇俳優やくしやは、借金取に出会でくはすか、救世軍を見るかして、気が真面目にふさぎ出すと
と言いながら兵馬は、懐中から袋入りの物と帛紗包ふくさづつみとを取り出して