市尹しゐん)” の例文
しかく貧なりと雖も彼の家庭は幸福なるを得し也。彼の妻は彼の死後貞節を以て市尹しゐんより褒称はうしようせられし程の人なり、彼も亦其妻に対して極て温情なる夫なりき。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
後にこの事あらはれ、市尹しゐんの庁によび出され、人のせぬことをするはなぐさみといへども一罪なりとて、両翼をとりあげその住巷を追放せられて、他のちまたにうつしかへられける。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)