巾着銭きんちゃくぜに)” の例文
堕胎こおろし、姦通、めかけの周旋、あいびき宿、およそ巾着銭きんちゃくぜにしには、なんでもござれとしていたのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうでしょうね。女ひとりで参詣に出たのじゃあ、いくらも巾着銭きんちゃくぜにを持っていやあしますめえ」
さりとて、道の真中へほうり出してもおけない。また米友には、屑屋に売り飛ばすというほどの知恵も浮ばない。売り飛ばしてそれをおのれの巾着銭きんちゃくぜににしようというような知恵は米友には出ない。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お福の持っている巾着銭きんちゃくぜにをまき上げたばかりか、無理無体にお福を手籠めにしてしまったんです。
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)