巨大おおい)” の例文
父子おやこはここに腰をおろして、見るとも無しに瞰上みあげると、青い大空をさえぎる飛騨の山々も、昨日今日は落葉に痩せて尖って、さなが巨大おおいなる動物が肋骨あばらぼねあらわしたようにも見えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
やがてどん底まで辿り着くと、果して其処そこにお杉の死骸が倒れている。彼女かれは牙のような岩と岩との間に挟まれて、さながら巨大おおいなる野獣に咬まれたような形で死んでいた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)