左吉松さきまつ)” の例文
「わざ/\細引に罠を拵へて人を縛る者はないよ。左吉松さきまつほどの達者な男が、罠へ手を突つ込んで縛られるのも變ぢやないか」
「親分、溜飮が下がりましたぜ。あの二千五百兩といふ大金を入れた錢箱が三つ、左吉松さきまつの死骸の下の、ふさいだの下から出て來た時には」
左吉松さきまつを眠らしてしまへば、自分が一人占めになることに氣が付いた——左吉松は自分で自分を縛つて居る、左吉松の自慢の匕首あひくちは、その膝の前に轉がつて居る