屈託顔くったくがお)” の例文
小笠原の物々しい屈託顔くったくがおを前にして独りで笑ったりおしゃべりしている最中さいちゅうに、麻油は急に悪戯いたずらっぽい顔をして舌でも出してみたいような気持になってしまうのだが
小さな部屋 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
だがその物音もない奥まった所では、あの木像蟹殿が、どんな屈託顔くったくがおに頬杖をついていることか。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とお母さんは屈託顔くったくがおをした。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
屈託顔くったくがお
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「いま、魏延の陣所をちょっと覗いたところ、いつになく屈託顔くったくがおしているので、どうしたのかと訊くと、かくかくの夢を見たというので、夢判断をしてやって来たところだ」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、日々屈託顔くったくがおに見えた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)