尻穂しっぽ)” の例文
人々は固唾かたずを呑んで双眼鏡めがねを覗いた。捕鯨船は、見る見る鯨群に近付いて、早くも船首にパッと白煙を上げると、海の中から大きな抹香鯨の尻穂しっぽが、瞬間跳ね曲って、激しい飛沫を叩きあげた。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)