導火みちび)” の例文
投じたけれども自分の船から出るときに、実は松木と五代と申しだんじてひそかにその船の火薬車に導火みちびけておいたから、間もなく船は二艘とも焼けて仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
機械は本来人間が発明し製作し運転するものであるが、一旦火力や電動力の導火みちびをつけられるその瞬間から、たちまち一の個性を確立して来る。偉大なる生命の大活動が始まる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
夫れから又その船の火薬庫に導火みちびけるときは随分気味の悪い話だった、だが命拾いをしたその時、懐中に金が二十五両あったからその金をもって上陸したと云う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
地の底の導火みちびき、ヸオロンぞ狂ひ泣く。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)