尋人たずねにん)” の例文
舟引地町ふなひきじまちの紙屋と云う家に泊って、町年寄まちどしより福田某に尋人たずねにんの事を頼んだ。ここで聞けば、勧善寺の客僧はいよいよ敵らしく思われる。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
文吉がすなに額をうずめて拝みながら待っていると、これも思ったより早く、神主が出て御託宣を取り次いだ。「初の尋人たずねにんは春頃から東国の繁華な土地にいる。後の尋人の事は御託宣が無い」
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)