寡言かごん)” の例文
思想の懸隔に加えて、平生の寡言かごんのため、これらを言い出ずる機会もなく今日に至りしものにこれあり候。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「しかし、ゲビス君!」いつもは寡言かごん提督ていとくペリーが、重々しい口を開いた。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
やがて景清の戦物語いくさものがたりも済んで一番の謡もとどこおりなく結末まで来た。自分はその成蹟せいせきを何と評して好いか解らないので、少し不安になった。嫂は平生の寡言かごんにも似ず「勇しいものですね」と云った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
劉備の答えは寡言かごんだった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)