寝棚レジャンカ)” の例文
「で、あの、なんですの……」と、その時、寝棚レジャンカのうへにあぐらをかいて坐つてゐた、くだんの村長の義妹いもうとだと称する女が口を出した。
壁の裾には滑らかに削つた樫の腰掛が取りつけてあり、それに近く、寝棚レジャンカの前には揺籃が、天井に打ちつけた環に、紐をとほして釣つてある。
カテリーナは寝棚レジャンカに腰かけて、片足で揺籃をゆすりはじめた。ダニーロは坐つたまま、左の眼で運筆を見ながら、右の眼では窓の外に注意を払つてゐた。
ダニーロと妻とは腰掛の上に、老婢は寝棚レジャンカに眠り、揺籃の中ではいたいけな幼子がすやすやと寝息をたて、ゆかの上にはつはものどもが押しならんでごろ寝をしてゐる。
娘は寝棚レジャンカの上へ飛びあがつた——と、猫もそこへ飛びあがつて、いきなり、娘の頸へ掴みかかつて咽喉を絞めようとする。娘は悲鳴をあげながら、猫をもぎはなしざま、床へ投げつけた。