容姿かおかたち)” の例文
奥様の思いやつれた容姿かおかたちは、まゆのさがり、目の物忘れをしたさまから、すこし首をかしげて、御頭おつむりを左の肩の上に乗せたまでも、よく見えました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
世話にくだけた風俗が、持って生まれた容姿かおかたちをひとしお引き立たせて、まだ店も出してまもないのに、当り矢のお艶といえばもう浅草で知らないものはない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「素姓などどうでもよいではないか。容姿かおかたちさえ美しければそれだけで女は沢山たくさんじゃ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)