家列やなみ)” の例文
雨はいよ/\土砂降りになつて、陰鬱な京の小路の家列やなみに瀟々と濺ぐ。渋のやうに燻んだ色の格子造りが軒を並べ、家の中はいずれも真暗で、何百年の昔の匂が瓦や柱に沁み込んで居る。
青春物語:02 青春物語 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)