宮腹みやばら)” の例文
六の宮の姫君の父は、古い宮腹みやばらの生れだつた。が、時勢にも遅れ勝ちな、昔気質むかしかたぎの人だつたから、官も兵部大輔ひやうぶのたいふより昇らなかつた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これにも世間にはとかくの噂がございまして、中には御親子ごしんしで、同じ宮腹みやばらの女房を御争いになったからだなどと、申すものもございますが、元よりそのような莫迦ばかげた事があろう筈はございません。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)