室生犀星むろうさいせい)” の例文
ルパシカを着て、紐を前で長く結んでいる艶歌師の四角い顔が、文章倶楽部クラブの写真で見た、室生犀星むろうさいせいと云うひとに似ている。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
健脳な読者の中には、ずっと昔、自分と室生犀星むろうさいせい等が結束した詩の雑誌「感情」の予告において、本書の近刊広告が出ていたことを知ってるだろう。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
室生犀星むろうさいせい氏は微症で見えなかったが、当夜の会も愉快だった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
室生犀星むろうさいせい氏が朝湯の好きな方だと云うことも、古本屋で買った文章倶楽部で知りました。室生氏が手拭てぬぐいをぶらさげて怒ったような顔で立っていられる写真を覚えています。
文学的自叙伝 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
わずかに島崎藤村、谷崎潤一郎、武者小路実篤むしゃのこうじさねあつ、佐藤春夫、室生犀星むろうさいせい位であり、そして真の芸術至上主義者として、自殺した芥川龍之介、志賀直哉なおや等を数えるにすぎないだろう。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
友人室生犀星むろうさいせい君も、かつて同じような意味のことを、蕪村に関して僕に語った。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)