孝子こうし)” の例文
岩手の孝子こうし何がし母を車に載せ自ら引きて二百里の道を東京まで上り東京見物を母にさせけるとなん。事新聞に出でて今の美談となす。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
気がついた秋山要介は、孝子こうしに犬死させたくない、ヨーシ、追いついて後見うしろみしてやろう! 助太刀してやろうと決心し、袴の股立取り上げた途端
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「うむ。僕は取りつくろって答える。『あれは同級の秀才で保険会社へ勤めている孝子こうしです。実に感心な男です』って」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
御免をこうむりまして申上げますお話は、西洋人情噺にんじょうばなしと表題を致しまして、英国えいこく孝子こうしジョージ、スミスの伝、これを引続いて申上げます。外国あちらのお話ではどうもわたくしの方にも出来かねます。