嬉々いそ/\)” の例文
あそこの窓の下に行つて、コトコトと叩いて、そこにその白い顔が出た時に、春の風のやうな微かな私語さゝやきを敢てさへすれば、それですぐにかの女は嬉々いそ/\として出て来るに相違ない。
赤い鳥居 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
それでまた私は心動いて、箸を置くと嬉々いそ/\しながら渇を覺えた時の用意にと、大きな梨を二つ懷に入て例の櫻のステッキを杖ついて、湯の花澤へゆく道から左に折て急がぬやうに登つていつた。
箱根の山々 (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
仇氣あどけないまで、をんなもともに嬉々いそ/\して
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)