女部屋をんなべや)” の例文
この国の女に生れて、一足も女部屋をんなべやを出ないことを美徳として時代に居る身は、親の里も祖先の土も、まだ踏みも知らない。あの陽炎かげらふの立つてゐる平原を、此足で隅から隅まで歩いて見たい。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)