大飢饉だいききん)” の例文
そういううちにその年も終り、十八年、癸丑みずのとうしの年になった。前年、西南諸道で米がとれず、大飢饉だいききんになって餓死するものが出た。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どうして天明三年の大飢饉だいききんはこんなものじゃなかったと言うよ。おれの吾家うちの古い帳面には、あの年のことが残ってる。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「一つ、天下を取ってみようとか、世間の貧乏人を救ってみようとか。——何とか目的がなくっちゃ、狐鼠こそ狐鼠だろうじゃねえか。——ところで今、世の中を見ると、天明の大飢饉だいききんだ」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう一つはその翌年の秋から次の年へかけての大飢饉だいききんの際の彼の活動である。