大殿油おおとなぶら)” の例文
御簾のには燈火がないので、うたげの席にともっている大殿油おおとなぶらの穂先が、屏風にさえぎられながら遠く此方側へまたゝきを送っているのであるが
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「野分だちて、にはかにはだ寒き夕暮の程は、常よりも、おぼし出づること多くて」という桐壺の帝のうれいより始め、「つれづれと降り暮して、しめやかなる宵の雨に」大殿油おおとなぶら近くの
『新訳源氏物語』初版の序 (新字新仮名) / 上田敏(著)