大柔おおぬ)” の例文
『はてな、今しがたまで大柔おおぬがここに寝てゐたはずだが……』と大海人は、ふたたび頬杖に托して半身をもたげながら考へた、——
鸚鵡:『白鳳』第二部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
大柔おおぬいらつめの寝顔や、その延長である寝すがたの全体が、いや応なしに彼を現実へ追ひ戻すのである。
鸚鵡:『白鳳』第二部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
兄と張り合ふ気持が、意識的にあつたわけでもないが、生まれつき肥りじしで、そのため大柔おおぬと名づけられてゐた妹娘の方は、間もなく大海人の寵愛を受けることになつたのである。
鸚鵡:『白鳳』第二部 (新字旧仮名) / 神西清(著)