大息おおいき)” の例文
源に何のとががない、ということを確めました時は、両親も巡査の後姿を拝むばかりに見送って、互に蘇生いきかえったような大息おおいきをホッときましたのです。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日頃ひごろ眺むる東京の煙も、此四五日は大息おおいき吐息といきの息巻荒くあがる様に見える。然し此処ここは田舎である。都の師走しわすは、田舎の霜月しもつき冬枯ふゆがれの寂しい武蔵野は、復活の春を約して、麦が今二寸に伸びて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)