大尽風だいじんかぜ)” の例文
旧字:大盡風
がんりきの百は、角兵衛獅子を相手に大尽風だいじんかぜを吹かしていると、妙義の町の大人も子供も、その騒ぎを聞きつけて出て来ました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼は少しくふところをあっためたので、すぐに港崎町の廓通くるわがよいをはじめて、岩亀楼の小秀という女を相方あいかたに、身分不相応の大尽風だいじんかぜを吹かせていたが
半七捕物帳:40 異人の首 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どうもこの文無しで宿を取る人間に限って、大きな顔をして威張り散らして、散々さんざん大尽風だいじんかぜをお吹かせの上、いざ御勘定となると、実は、とおでなさいます。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
在所へ帰ってすっかり気を許した久吉は、百両あまりの金を見せびらかして、土地の人に大尽風だいじんかぜを吹かせていたところへ、江戸の御用聞の八五郎が踏込んだのです。
二階へ押し上がって大尽風だいじんかぜを吹かせる安旗本の次男三男、大店おおだなの息子手合まで、お由良の愛嬌におぼれる者も少なくなかった中に、ガラッ八の八五郎もさんざんお賽銭さいせんを入れ揚げた講中の一人で