大家オホヤケ)” の例文
殊に村君の大家オホヤケの力が増せば、神たちは其祝福の爲に、度々神の扮裝をせねばならぬ。其以外の小家でも、神の來臨を請ふこと頻りになつて來る。
だが、偶然、日本の神事の特色として、大家オホヤケに練り込むと言ふ慣例のあつたのに引かれて、謂はゞ「庭の芸能」と言ふ形を主とする事になつて行つた訣だ。
あて人の家自身が、それ/\、農村の大家オホヤケであつた。其が次第に、官人ツカサビトらしい姿に更つて來ても、家庭の生活には、何時までたつても、何處か農家らしい樣子が、殘つて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
あて人の家自身が、それ/\、農村の大家オホヤケであつた。其が次第に、官人ツカサビトらしい姿に更つて來ても、家庭の生活には、何時までたつても、何處か農家らしい樣子が、殘つて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
あて人の家自身が、それ/\、農村の大家オホヤケであつた。其が次第に、官人ツカサビトらしい姿にカハつて来ても、家庭の生活には、何時イツまでたつても、何処ドコか農家らしい様子が、残つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
宮廷を大家オホヤケ——公——と言ふに対して、後宮の主の上に、後代非公式に生じたものとして、私部の字を、后の部民・領土の上に宛てた。きさいつべ——きさいちべ>きさいべ——と言ふ。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
村全體の爲に來り臨み、村人すべての前に示現したまれびとが、個々の村舍ムラヤをおとづれる樣になつた。初めは、やはり村に大家オホヤケが出來た爲である。村人の心を信仰で整理した人が、大家オホヤケを作つた。