大出来おおでき)” の例文
「ソップも牛乳もおさまった? そりゃ今日は大出来おおできだね。まあ精々せいぜい食べるようにならなくっちゃいけない。」
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
道夫も此頃このごろ受験準備で、可哀想かあいそうな位つかれているね。すぐ寝かしてやったとは、お前にしちゃ大出来おおできだ。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大出来おおできだ。にんじん、じゃまあ、おめでとう。それにしても、真似まねは実物だけの値打ちはないんだから、それだけに、お前が片意地なことは、母さん、残念だよ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
秀逸しゅういつ秀逸。近ごろ大出来おおできな鹿ではある。悦之進えつのしん、鹿のみやげに、いつもの糠煎餅ぬかせんべい、忘れるな」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼻かけ卜斎ぼくさい越前落えちぜんおちに、とちゅうまでひっぱられていった蛾次郎がじろうが、木隠龍太郎こがくれりゅうたろう行軍こうぐんのなかにまぎれこんで、うまうま逃げてしまったのは、けだし、蛾次郎近来の大出来おおできだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)