大人だいじん)” の例文
マグロアールは彼を好んで大人だいじん様と呼んだ。ある日彼は椅子から立ち上がって、一冊の書物をさがしに図書室に行った。その書物は上方の書棚しょだなにあった。
とて、小人しょうじんが英雄の心事を解し得ぬにたとえたが、この句はひとり人物の大小の差を示すのみにあらで、小人しょうじんと小人の間にも、大人だいじんと大人との間にも当たる言である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
結婚すれば大人だいじん(巡査)の奥さんになれるのである。テワスは有頂天にさえなっていた。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
山で大人だいじん(警官)といえば殆んど絶対者に近い威望がある。その口に豚の生肉をおしつけ、あまつさえ袋叩きにしてしまったのである。当然、刑罰をまぬがれることはできない筈である。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
「ああ、これが一度は大人だいじんの奥さんとまで言われたことのある妹か」
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)