夕間暮ゆうまぐれ)” の例文
左様さいで、ござりません。仁丹がうござりますやろ。」と夕間暮ゆうまぐれ薬箪笥くすりだんすに手を掛ける、とカチカチと鳴るかんとともに、額の抜上った首を振りつつおおきな眼鏡越にじろりとる。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とうら寂しげな夕間暮ゆうまぐれ生干なまび紅絹もみも黒ずんで、四辺あたりはもののいその風。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)